勘定科目「原材料」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「原材料」(読み仮名:げんざいりょう、分類:流動資産)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
原材料とは
「原材料」とは、企業が製品を製造する際に必要な基本的な材料や部品のことを指します。原材料は製品の構成要素であり、製造過程に投入されることで最終的な完成品の一部として顧客に提供されます。製造業において、原材料は生産活動の基本となる資材で、企業が生産活動を行ううえで欠かせない資源です。原材料は貸借対照表の流動資産に分類され、棚卸資産として在庫管理が行われます。
原材料の種類には、完成品の主要な構成要素となる「主原材料」と、製品に付随する「補助材料」などがあります。例えば、家具製造においては木材が主原材料となり、塗料や接着剤などが補助材料として使用されます。原材料の購入費用や保管にかかる費用は、最終的に製造原価に組み入れられ、製品が販売された際に売上原価として計上されます。これにより、正確な原価計算が行われ、企業の収益や利益計算に影響を与えます。
原材料はどのような時に使用されるのか
原材料は、以下のような場合に使用されます。
- 製品の製造過程への投入
製造工程において、原材料が投入されることで製品が生産されます。企業は、製造に必要な数量の原材料を在庫から取り出し、加工や組み立てなどの工程を経て製品を完成させます。 - 製品原価の計算
原材料費は、製品原価の主要な要素であり、正確な原価計算に基づき製造費用が算出されます。企業が製品を販売する際には、投入された原材料費が売上原価として反映され、最終的な利益が計算されます。 - 期末の棚卸資産の評価
期末には、未使用の原材料が棚卸資産として評価されます。この棚卸資産は貸借対照表に計上され、翌期の製造活動に再投入されます。棚卸資産の評価によって、売上原価や利益が正確に把握されます。 - 補助材料や消耗品の使用
原材料には、主材料以外にも製品の製造過程で使用される補助材料や消耗品も含まれます。これらの補助材料も製品の一部として扱われ、製造コストに組み入れられます。
原材料の仕分例
「原材料」を使った具体的な仕分例です。
原材料を現金で購入した
原材料を現金で50,000円分購入した場合:
借方:原材料 50,000円 / 貸方:現金 50,000円
(説明:製造用の原材料を現金で購入しました)
原材料を掛けで購入した
原材料を掛けで100,000円分購入した場合:
借方:原材料 100,000円 / 貸方:買掛金 100,000円
(説明:製造用の原材料を掛けで購入しました)
製造工程において原材料3を使用し、仕掛品に振り替えた
製造工程において原材料30,000円分を使用し、仕掛品に振り替えた場合:
借方:仕掛品 30,000円 / 貸方:原材料 30,000円
(説明:製造に使用した原材料を仕掛品に振り替えました)
期末において原材料在庫の減耗損失を計上した
期末において原材料在庫の減耗損失5,000円を計上した場合:
借方:棚卸減耗損 5,000円 / 貸方:原材料 5,000円
(説明:期末における原材料の減耗損失を計上しました)
原材料を銀行振込で購入した
原材料を銀行振込で200,000円分購入した場合:
借方:原材料 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
(説明:製造用の原材料を銀行振込で購入しました)
使用された原材料費を確認し、原価計算した
仕掛品から製品に振り替える際、使用された原材料費を確認し、原価計算した場合:
借方:製品 80,000円 / 貸方:仕掛品 80,000円
(説明:原材料費を含む製造原価を製品に振り替えました)
著者 / Tommy Ikura
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