勘定科目「預金」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「預金」(読み仮名:よきん、分類:流動資産)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
預金とは
勘定科目の「預金」とは、企業が金融機関(銀行や信用金庫など)に預けている資金を指します。預金は企業の資産の一部であり、流動性が高いため、資金運用や日常的な取引において重要な役割を果たします。預金には普通預金、当座預金、定期預金などがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。普通預金や当座預金は、必要なときに引き出したり振り込んだりすることができ、事業活動における日常的な支出や収入の処理に活用されます。一方、定期預金は一定期間引き出せない代わりに、普通預金よりも高い利息がつくため、企業の余剰資金を運用するために使用されます。
普通預金は、企業が日常的に行う取引(仕入れ代金の支払い、売上金の受け取りなど)に最も頻繁に利用される預金口座です。多くの場合、企業の資金管理はこの普通預金口座を通じて行われ、会計処理では「普通預金」勘定を使用します。対して、当座預金は小切手や手形を通じての支払いに利用される預金口座で、銀行と当座取引契約を結び、信用取引が可能な企業に提供されます。当座預金は利息がつかない代わりに、企業が小切手を使って即時支払いができるというメリットがあります。
預金はどのような時に使用されるのか
「預金」は、企業の資金管理の中心的な役割を果たし、日常的な取引から大口の取引まで幅広く使用されます。以下は、預金が使用される主なケースです。
- 売上代金の受け取り
商品やサービスを提供した代金が銀行振込で支払われる場合、売上代金が普通預金や当座預金に入金されます。この際、売上勘定と預金勘定を用いて入金処理を行います。 - 仕入れ代金の支払い
企業が仕入れた商品や材料の代金を支払う際、預金口座から支出されます。普通預金や当座預金からの支払いは、取引先への支払いや業務に必要な支出として処理されます。 - 経費の支払い
事業活動に必要な経費(交通費や消耗品費、旅費など)は、預金から引き落とされ、経費として計上されます。これにより、現金の管理が減少し、預金口座を通じた支払いが推奨されます。 - 給与の支払い
従業員への給与支払いも預金を通じて行われます。給与振込が一般的であり、預金口座からの引き落としとして処理され、会計上は「給与」勘定と「預金」勘定が使われます。
預金の仕分例
「預金」を使った具体的な仕分例です。
売上代金を銀行振込で受け取った場合
商品を販売し、代金150,000円を銀行振込で受け取ったとき:
借方:普通預金 150,000円 / 貸方:売上 150,000円
(説明:売上代金の入金を普通預金勘定に記録します)
仕入代金を銀行振込で支払った場合
商品の仕入れ代金80,000円を銀行振込で支払ったとき:
借方:仕入 80,000円 / 貸方:普通預金 80,000円
(説明:仕入代金の支払いを普通預金勘定から引き落とし、仕入れ費用を計上します)
経費(交通費)を銀行振込で支払った場合
業務上の交通費5,000円を銀行から支払ったとき:
借方:旅費交通費 5,000円 / 貸方:普通預金 5,000円
(説明:交通費としての経費を計上し、普通預金から支出します)
給与を銀行振込で支払った場合
従業員の給与200,000円を預金から支払ったとき:
借方:給与 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
(説明:給与の支払いを普通預金勘定から引き落とし、給与としての費用を計上します)
預金利息を受け取った場合
普通預金の利息として2,000円が振り込まれたとき:
借方:普通預金 2,000円 / 貸方:受取利息 2,000円
(説明:預金の利息分を収益として計上し、普通預金が増加したことを記録します)
当座預金で小切手を発行して支払った場合
当座預金から30,000円の小切手を発行して支払ったとき:
借方:仕入 30,000円 / 貸方:当座預金 30,000円
(説明:仕入代金を小切手で支払い、当座預金の減少を記録します)
著者 / Tommy Ikura
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