勘定科目「地代家賃」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「地代家賃」(読み仮名:ちだいやちん、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
地代家賃とは
「地代家賃」は、企業が土地や建物を借りる際に支払う賃料を計上する勘定科目です。具体的には、土地の使用料である「地代」と、建物の使用料である「家賃」の双方を指します。オフィスビルや倉庫、店舗などの借り入れに対する賃料だけでなく、駐車場や敷地の使用料も含まれるため、業務運営のための不動産にかかる固定費として重要な項目となります。
地代家賃の範囲:
- 地代:土地の使用に対して支払う賃料。土地のみを借りている場合や駐車場の借用料など。
- 家賃:建物の使用に対して支払う賃料。オフィスや店舗、倉庫、住宅などの建物の使用料。
- その他の使用料:一部地域では、土地や建物を一括で借りる際の使用料も地代家賃に含まれます。
「地代家賃」は、経費として損益計算書に計上され、一般的には「販売費及び一般管理費(販管費)」に分類されます。企業が土地や建物を所有する代わりに賃借を行うことで、初期投資を抑えながら必要なスペースを確保できるメリットがあります。特に、新しいオフィスや支店、倉庫を短期間で設置したい場合に、地代家賃は重要な経費として機能します。
地代家賃はどのような時に使用されるのか
地代家賃は、以下のようなケースで使用されます。
- オフィスや事務所の家賃
企業がオフィススペースを賃貸し、そこに従業員が勤務する場合に支払う賃料が地代家賃として計上されます。経常的な業務の運営に欠かせない固定費です。 - 店舗の家賃
小売店や飲食店など、営業活動を行うための店舗を借りている場合、その家賃が地代家賃に該当します。売上に直結する場所の維持に必要な経費です。 - 駐車場や倉庫の賃料
業務用車両の駐車スペースや商品・材料の保管場所としての倉庫を借りる際に支払う賃料も、地代家賃として計上されます。 - 社宅の家賃
企業が従業員のために社宅を借り、従業員がその社宅に居住する場合の家賃も、地代家賃として扱います。福利厚生として社員に提供する住宅の費用です。 - 土地のみを借りる場合の地代
企業が店舗やオフィスの敷地として、建物ではなく土地のみを賃貸している場合、その土地使用料も地代家賃に該当します。必要な場所を確保するためのコストとして重要です。
地代家賃の仕分例
「地代家賃」を使った具体的な仕分例です。
オフィスの家賃として毎月普通預金から支払った
オフィスの家賃として毎月100,000円を普通預金から支払った場合:
借方:地代家賃 100,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
(説明:オフィスの家賃を支払いました)
店舗の賃料を現金で支払った
店舗の賃料として200,000円を現金で支払った場合:
借方:地代家賃 200,000円 / 貸方:現金 200,000円
(説明:店舗の家賃を支払いました)
駐車場の賃貸料を普通預金から支払った
駐車場の賃貸料として月額15,000円を普通預金から支払った場合:
借方:地代家賃 15,000円 / 貸方:普通預金 15,000円
(説明:業務用車両の駐車場代を支払いました)
倉庫の地代を普通預金から支払った
倉庫の地代として年間300,000円を普通預金から支払った場合:
借方:地代家賃 300,000円 / 貸方:普通預金 300,000円
(説明:商品の保管用倉庫の地代を支払いました)
社宅として借りた建物の家賃を支払った
社宅として借りた建物の家賃月額50,000円を支払った場合:
借方:地代家賃 50,000円 / 貸方:現金 50,000円
(説明:従業員用社宅の家賃を支払いました)
季節限定でレンタルした店舗スペースの賃料を現金で支払った
季節限定でレンタルした店舗スペースの賃料30,000円を現金で支払った場合:
借方:地代家賃 30,000円 / 貸方:現金 30,000円
(説明:一時的に使用する店舗スペースの賃料を支払いました)
新規事務所の賃貸契約に伴い、前払金として初回を支払った
新規事務所の賃貸契約に伴い、前払金として初回賃料100,000円を支払った場合:
借方:前払費用 100,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
(説明:事務所賃貸契約に伴う前払金を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
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