勘定科目「賃借料」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「賃借料」(読み仮名:ちんしゃくりょう、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
賃借料とは
「賃借料」は、企業が業務を行うために必要な設備や資産、建物などを外部から借りた際に支払う使用料を計上する勘定科目です。賃借料には、オフィスや倉庫などの物件賃貸料、コピー機や自動車などの設備や備品のリース料、駐車場代など、業務に必要なさまざまなもののレンタル費用が含まれます。
賃借料の支払いは、購入する場合に比べて初期投資を抑え、必要な時だけコストを発生させることができるというメリットがあります。例えば、倉庫を購入する場合には多額の資金が必要ですが、賃借であれば一定の費用を支払うことで使用が可能です。また、賃貸契約は短期・長期の選択が可能で、経営状況や事業の成長に応じて柔軟に契約内容を見直せることも特徴の一つです。
企業にとって賃借料は運営コストの一部であり、経費として損益計算書に計上されます。賃借料は「販売費及び一般管理費(販管費)」として扱われることが一般的で、経費として処理されるため、税務上も損金として扱われます。ただし、リース料など一部の賃借料には、税務上の扱いが異なる場合があるため注意が必要です。
賃借料はどのような時に使用されるのか
賃借料は、以下のようなケースで使用されます。
- オフィスや事務所の賃貸料
業務用のオフィスや事務所を借りる際の賃料が「賃借料」として計上されます。これは企業の事務活動を行うために必要なスペースのコストです。 - 倉庫や工場の賃借料
商品や原材料の保管、製造を行う倉庫や工場の賃借料も賃借料として扱われます。特に、流通業や製造業などでの需要が高いです。 - 機械や設備のリース料
コピー機、プリンター、製造機器、自動車など、業務に必要な機械や設備のリース料も賃借料に含まれます。購入するよりもコストを抑えつつ、必要に応じて機器を使用できます。 - 駐車場の賃借料
車両を使用する企業の場合、業務用の駐車スペースを確保するための賃料も賃借料として計上されます。これは物流や営業職など、車両利用が多い業種で見られます。 - 一時的なスペースのレンタル料
イベントや展示会などのために、一時的に会場やスペースをレンタルする場合も賃借料として処理します。
賃借料の仕分例
「賃借料」を使った具体的な仕分例です。
オフィス賃貸料を普通預金から支払った
オフィス賃貸料として毎月50,000円を普通預金から支払った場合:
借方:賃借料 50,000円 / 貸方:普通預金 50,000円
(説明:オフィス賃貸料を支払いました)
倉庫の賃貸料を現金で支払った
倉庫の賃貸料として100,000円を現金で支払った場合:
借方:賃借料 100,000円 / 貸方:現金 100,000円
(説明:商品の保管に使用する倉庫の賃貸料を現金で支払いました)
営業用車両の駐車場代を支払った
営業用車両の駐車場代として月額20,000円を支払った場合:
借方:賃借料 20,000円 / 貸方:普通預金 20,000円
(説明:営業用車両の駐車場賃貸料を支払いました)
コピー機リース料を現金で支払った
コピー機リース料として月額15,000円を現金で支払った場合:
借方:賃借料 15,000円 / 貸方:現金 15,000円
(説明:コピー機のリース料を支払いました)
イベント会場のレンタル料を支払った
イベント会場のレンタル料として一時的に30,000円を支払った場合:
借方:賃借料 30,000円 / 貸方:普通預金 30,000円
(説明:イベント会場レンタルのための賃借料を支払いました)
短期契約の倉庫賃貸料を普通預金から支払った
短期契約の倉庫賃貸料として150,000円を普通預金から支払った場合:
借方:賃借料 150,000円 / 貸方:普通預金 150,000円
(説明:一時的な倉庫使用のための賃借料を支払いました)
製造機器のリース契約料を振り込んだ
製造機器のリース契約料として200,000円を振り込んだ場合:
借方:賃借料 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
(説明:製造機器のリース料を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
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