勘定科目「外注費」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「外注費」(読み仮名:がいちゅうひ、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
外注費とは
「外注費」とは、企業が製品やサービスを提供する際に、業務の一部を外部の専門業者や企業に委託するために支払う費用のことです。製造業では、部品の製造や組み立て工程の一部を外部に委託することが一般的であり、その費用を「外注費」として計上します。また、IT業界やデザイン業界でもシステム開発やデザイン業務を外部に依頼する場合に外注費が発生します。
外注費は、社内で行うとコストがかかる、もしくは効率が悪い業務を専門業者に依頼することで、コスト削減や業務効率化を図るために発生します。外注を行う理由には、専門的な技術が必要な場合や急な需要に対応するためなどがあります。また、外注先が保有する技術やノウハウを活用することで、品質を保ちながら効率的に製品やサービスを提供できるというメリットもあります。
外注費はどのような時に使用されるのか
外注費は、以下のようなケースで使用されます。
- 製造業における部品製造の外注
製品の一部である部品やパーツを外部の専門業者に製造を委託し、その費用を外注費として計上します。これにより、生産コストを抑えつつ品質を確保します。 - システム開発やプログラムの外部委託
IT業界において、自社での開発リソースが不足している場合、システム開発やプログラムの一部を外部の専門業者に依頼し、その費用を外注費として計上します。 - デザインや広告作成の外注
商品のパッケージデザインや広告作成を専門のデザイン会社に依頼し、その制作費用を外注費として計上します。専門的なスキルを活用し、高品質なデザインを得ることができます。 - 清掃や物流業務の外注
工場やオフィスの清掃、製品の出荷業務を外部の業者に委託し、外注費として計上する場合もあります。こうした間接業務の外注により、コア業務に集中できるようになります。 - コンサルティングサービスの外注
経営戦略や市場調査のために専門のコンサルタントに依頼し、その費用を外注費として計上します。外部の知見を取り入れることで、事業戦略を強化することができます。
外注費の仕分例
「外注費」を使った具体的な仕分例です。
部品の製造を外部業者に委託し、外注費を普通預金で支払った
部品の製造を外部業者に委託し、外注費100,000円を普通預金で支払った場合:
借方:外注費 100,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
(説明:部品製造を外注し、その費用を支払いました)
システム開発を外部のIT企業に委託し、外注費を現金で支払った
システム開発を外部のIT企業に委託し、200,000円の外注費を現金で支払った場合:
借方:外注費 200,000円 / 貸方:現金 200,000円
(説明:システム開発の一部を外部に委託し、その費用を支払いました)
商品のパッケージデザインをデザイン会社に依頼し、デザイン料を振り込んだ
商品のパッケージデザインをデザイン会社に依頼し、デザイン料として150,000円を振り込んだ場合:
借方:外注費 150,000円 / 貸方:普通預金 150,000円
(説明:商品のパッケージデザインを外注し、デザイン料を支払いました)
清掃業務を外部業者に委託し、月末に支払う外注費を未払金として計上する
清掃業務を外部業者に委託し、月末に支払う外注費50,000円を未払金として計上する場合:
借方:外注費 50,000円 / 貸方:未払金 50,000円
(説明:月末に清掃業務の外注費を未払金として計上しました)
広告動画制作を広告代理店に委託し、制作費用を支払った
広告動画制作を広告代理店に委託し、制作費用として300,000円を支払った場合:
借方:外注費 300,000円 / 貸方:現金 300,000円
(説明:広告動画制作を外注し、その費用を支払いました)
物流業務を外部に委託し、外注費が発生した
物流業務を外部に委託し、月間で100,000円の外注費が発生した場合:
借方:外注費 100,000円 / 貸方:現金 100,000円
(説明:物流業務の外注費を計上しました)
市場調査のためのコンサルティングを依頼し、調査費用を支払った
市場調査のためのコンサルティングを依頼し、調査費用として200,000円を支払った場合:
借方:外注費 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
(説明:市場調査のコンサルティング費用を外注費として計上しました)
著者 / Tommy Ikura
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