勘定科目「減価償却費」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「減価償却費」(読み仮名:げんかしょうきゃくひ、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

減価償却費とは

「減価償却費」は、企業が購入した資産(固定資産)を使用することで、その価値が減少する分を費用として計上するための勘定科目です。建物や機械、車両、器具備品など、長期間にわたって使用する資産は購入時に全額を費用計上するのではなく、使用可能な年数に応じて毎年分割して費用化されます。これが「減価償却」であり、毎年の減価償却額が減価償却費として損益計算書に計上されます。

減価償却は、資産の購入にかかる一時的な大きな支出を分散させ、毎年の利益を正確に反映させる目的があります。購入した資産の耐用年数や取得価額に基づき、税法で定められた償却方法(定額法や定率法など)を用いて計算されます。なお、土地は減価償却の対象外です。

減価償却の主な方法には以下のようなものがあります:

資産を耐用年数に応じて毎年減価償却費として計上することで、固定資産の価値が経年で減少することを正確に反映させることができます。これにより、企業の資産と費用を正確に管理することが可能になります。

減価償却費はどのような時に使用されるのか

減価償却費は、以下のようなケースで使用されます。

減価償却費の仕分例

「減価償却費」を使った具体的な仕分例です。

オフィスビルの減価償却費を計上する

オフィスビルの減価償却費500,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 500,000円 / 貸方:建物減価償却累計額 500,000円

(説明:オフィスビルの減価償却費を計上しました)

工場の機械設備の減価償却費を計上する

工場の機械設備の減価償却費300,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 300,000円 / 貸方:機械装置減価償却累計額 300,000円

(説明:工場の機械設備の減価償却費を計上しました)

営業用車両の減価償却費を計上する

営業用車両の減価償却費100,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 100,000円 / 貸方:車両運搬具減価償却累計額 100,000円

(説明:営業用車両の減価償却費を計上しました)

オフィス内のパソコンの減価償却費を計上する

オフィス内のパソコンの減価償却費50,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 50,000円 / 貸方:器具備品減価償却累計額 50,000円

(説明:オフィス用パソコンの減価償却費を計上しました)

事務用机の減価償却費を計上する

事務用机の減価償却費20,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 20,000円 / 貸方:器具備品減価償却累計額 20,000円

(説明:事務用机の減価償却費を計上しました)

営業車両(トラック)の減価償却費を計上する

営業車両(トラック)の減価償却費150,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 150,000円 / 貸方:車両運搬具減価償却累計額 150,000円

(説明:営業用トラックの減価償却費を計上しました)

生産ラインの減価償却費を計上する

生産ラインの減価償却費400,000円を計上する場合:

借方:減価償却費 400,000円 / 貸方:機械装置減価償却累計額 400,000円

(説明:生産ラインの減価償却費を計上しました)

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著者 / Tommy Ikura

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