勘定科目「法人税等」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「法人税等」(読み仮名:ほうじんぜいとう、分類:法人税、住民税及び事業税等)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
法人税等とは
「法人税等」は、企業の所得に対して課される税金の総称であり、具体的には法人税、住民税、および事業税を含みます。企業が事業活動を行い、利益を上げた場合、その利益に応じて課税される税金が法人税等です。これらの税金は、企業の利益に基づき計算され、事業年度末に決定されるのが一般的です。
- 法人税:国税で、企業の課税所得(税法上の利益)に対して課される税金です。
- 住民税:地方税であり、法人税額に応じて一定割合で課されるものや、事業規模などによって定額で課される部分もあります。
- 事業税:地方税の一種で、企業の所得に基づいて課されるため、企業規模や業種などによっても税率が異なります。
「法人税等」は、企業にとっての費用であり、利益から控除されるため、企業の純利益を減少させます。また、税効果会計の導入により、法人税等の計算は複雑化しており、繰延税金資産や繰延税金負債といった項目が関わることもあります。
法人税等はどのような時に使用されるのか
法人税等は、以下のようなケースで使用されます。
- 年度末の税額確定時
企業の会計年度が終了した際に、その年度の利益に基づき法人税、住民税、事業税の合計額が確定します。この時点で法人税等が費用として計上されます。 - 中間申告や納税
通常、企業は会計年度途中で中間申告を行い、予定納税として法人税等を支払います。中間申告では、前年の実績などに基づき概算の税額を計算して支払います。 - 税務調整が行われた場合
税務調査の結果として、過去の申告内容に誤りがあった場合、法人税等が修正されることがあります。この場合、追加納税や還付が発生し、その差額も法人税等として処理されます。 - 税効果会計に基づく処理
将来の税金負担を見込んで、当期の法人税等に繰延税金資産や繰延税金負債の計上が関連する場合もあります。
法人税等の仕分例
「法人税等」を使った具体的な仕分例です。
期末で確定した法人税等を未払計上する
期末で確定した法人税等500,000円を未払計上する場合:
借方:法人税等 500,000円 / 貸方:未払法人税等 500,000円
(説明:期末における法人税等の計上。未払い分を計上しました)
中間申告に基づき、法人税等を現金で納付した
中間申告に基づき、法人税等200,000円を現金で納付した場合:
借方:法人税等 200,000円 / 貸方:現金 200,000円
(説明:中間申告のため、法人税等を現金で納付しました)
確定した法人税等を当期の費用として計上し、未払法人税等に充当する
確定した法人税等600,000円を当期の費用として計上し、未払法人税等に充当する場合:
借方:法人税等 600,000円 / 貸方:未払法人税等 600,000円
(説明:確定した法人税等を費用として計上し、未払金として処理)
前年度の過少申告により法人税等追加納付分を計上した
前年度の過少申告により法人税等追加納付分150,000円を計上した場合:
借方:法人税等 150,000円 / 貸方:未払法人税等 150,000円
(説明:過少申告による追加納税の計上)
税務調査の結果、過去の法人税等の還付金を受領した
税務調査の結果、過去の法人税等の還付金として50,000円を受領した場合:
借方:未払法人税等 50,000円 / 貸方:法人税等 50,000円
(説明:還付金の受領により法人税等を減額)
年度末に法人税等の支払義務が確定し計上した
年度末に法人税等の支払義務が確定し、800,000円を計上した場合:
借方:法人税等 800,000円 / 貸方:未払法人税等 800,000円
(説明:年度末に確定した法人税等の金額を計上)
著者 / Tommy Ikura
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