勘定科目「寄付金」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「寄付金」(読み仮名:きふきん、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
寄付金とは
「寄付金」は、企業が地域社会や社会貢献の一環として団体や個人、公共機関、慈善団体などに対して、金銭や物品を無償で提供する際に使用される勘定科目です。寄付金は企業が営利目的ではなく、社会的責任や公共の利益のために支出するための費用として扱われます。寄付には、金銭寄付のほか、物品やサービスの提供、従業員のボランティア活動を支援する形での寄付など、さまざまな形態があります。
税務上、寄付金の一部は損金として計上できるものの、一定の上限が定められています。寄付金の処理には、法人税法や各自治体の規定に沿った適切な手続きを踏むことが必要です。また、企業の寄付活動は、CSR(企業の社会的責任)やESG(環境、社会、ガバナンス)活動の一環として企業イメージ向上に貢献するケースも多く、社会貢献としての寄付活動が企業戦略の一部として取り入れられることもあります。
寄付金はどのような時に使用されるのか
寄付金は、以下のようなケースで使用されます。
- 災害救援のための寄付
自然災害が発生し、その被災地に対して支援のための寄付を行う場合です。企業としての社会的責任を果たす目的で、救援活動や被災者支援に資金を提供します。 - 地域社会の発展や福祉活動の支援
地域社会に貢献するため、自治体や福祉施設への寄付を行う場合です。例えば、地域の公園整備や高齢者福祉活動に資金を提供し、地域社会とのつながりを深める目的があります。 - 教育機関への支援
大学や専門学校などの教育機関に対する寄付金を支出する場合です。特に、奨学金制度の支援や教育施設の充実を目的とした寄付は、企業の社会的な使命としての役割を果たすものです。 - 文化・スポーツ活動の支援
地域の文化団体やスポーツ団体に対する寄付を行う場合です。地域の芸術活動やスポーツ振興を支援し、企業のブランディングや地域社会とのつながりを強化します。
寄付金の仕分例
「寄付金」を使った具体的な仕分例です。
地方自治体に災害支援金を寄付した
地方自治体に災害支援金として100,000円を寄付した場合:
借方:寄付金 100,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
(説明:災害支援のため地方自治体に寄付金を支払いました)
福祉施設に対して寄付金を現金で支払った
福祉施設に対して寄付金50,000円を現金で支払った場合:
借方:寄付金 50,000円 / 貸方:現金 50,000円
(説明:福祉施設への支援のため寄付金を支払いました)
地域の学校に教育支援として寄付金を普通預金から支払った
地域の学校に教育支援として寄付金30,000円を普通預金から支払った場合:
借方:寄付金 30,000円 / 貸方:普通預金 30,000円
(説明:地域の学校の教育支援として寄付金を支払いました)
地元の文化団体に対して芸術活動支援のために寄付金を支払った
地元の文化団体に対して芸術活動支援のために寄付金20,000円を支払った場合:
借方:寄付金 20,000円 / 貸方:普通預金 20,000円
(説明:地域の文化団体に対する芸術活動支援のため寄付金を支払いました)
災害発生時に支援団体に寄付金を現金で支払った
災害発生時に支援団体に寄付金150,000円を現金で支払った場合:
借方:寄付金 150,000円 / 貸方:現金 150,000円
(説明:災害支援のため、支援団体に寄付金を支払いました)
大学の奨学金制度に寄付金を普通預金から支払った
大学の奨学金制度に寄付金200,000円を普通預金から支払った場合:
借方:寄付金 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
(説明:大学の奨学金制度支援として寄付金を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
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