勘定科目「広告宣伝費」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「広告宣伝費」(読み仮名：こうこくせんでんひ、分類：販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

広告宣伝費とは

「広告宣伝費」とは、企業が商品やサービスの販売促進、ブランドの認知向上、顧客の獲得を目的に行う広告や宣伝活動に関連する支出を記録する勘定科目です。広告宣伝費には、新聞や雑誌への広告掲載費、テレビやラジオでのCM制作および放送費用、インターネット広告、チラシやパンフレットの印刷費、ポスター制作費などが含まれます。また、企業のイメージアップや信頼性向上を図るためのPR活動にかかる費用も、広告宣伝費として計上されることがあります。

広告宣伝費は、企業の売上やブランド価値を向上させるための重要な投資です。会計上、広告宣伝費は「費用」として損益計算書に計上され、企業の利益から差し引かれます。広告宣伝費は、短期間での売上増加を目指した広告活動だけでなく、将来的なブランドの成長や知名度向上のための戦略的な投資としても位置づけられます。そのため、費用対効果を評価し、効果的な広告宣伝活動を行うことが企業の成長に寄与します。

広告宣伝費はどのような時に使用されるのか

広告宣伝費は、企業の売上促進やブランド価値向上のため、さまざまな場面で使用されます。以下は、広告宣伝費が使用される具体的な例です。

• メディア広告
  新商品やキャンペーンを広く告知するために、テレビやラジオのCM、新聞、雑誌などのメディアに広告を掲載する場合、これらの費用が広告宣伝費として計上されます。広範な顧客層にアプローチできるため、企業の認知度向上に効果的です。
• インターネット広告
  現在、インターネット広告は重要な広告手段であり、企業のホームページやSNS、動画広告、検索エンジン広告（リスティング広告）など、デジタルプラットフォームでの広告掲載費用も広告宣伝費に含まれます。ターゲット層を絞った広告配信が可能で、費用対効果を測定しやすいのが特徴です。
• 印刷物の制作・配布費用
  ポスターやチラシ、パンフレットなど、企業や商品の魅力を伝えるための印刷物を制作・配布する費用も広告宣伝費です。これらの印刷物は店舗やイベント、展示会などで配布され、顧客への認知拡大や集客に役立ちます。
• イベント・展示会出展費用
  商品のプロモーションや新製品の発表を行うイベントや展示会の出展費用も広告宣伝費に該当します。多くの人に直接商品を紹介し、理解してもらうための場として、企業にとって重要な宣伝活動です。
• 商品サンプルやノベルティの配布
  新商品やサービスの魅力を伝えるために、サンプルやノベルティを無料で配布する際の費用も広告宣伝費に含まれます。実際に商品を試してもらうことで、購買意欲を高める効果が期待されます。

広告宣伝費は、短期的な売上増加だけでなく、長期的な顧客基盤の拡大やブランド価値向上を目的としています。そのため、広告活動の効果を測定し、定期的に改善することで、効率的な費用配分と持続的な成長が可能となります。

広告宣伝費の仕分例

「広告宣伝費」を使った具体的な仕分例です。

テレビCM制作費用を支払った場合

新商品のプロモーション用テレビCMの制作費用として100,000円を現金で支払った場合：

借方：広告宣伝費 100,000円 / 貸方：現金 100,000円

インターネット広告費を支払った場合

SNSに掲載したインターネット広告の費用として50,000円を現金で支払った場合：

借方：広告宣伝費 50,000円 / 貸方：現金 50,000円

チラシ印刷費用を支払った場合

新規オープンの店舗告知用チラシ印刷費用として20,000円を現金で支払った場合：

借方：広告宣伝費 20,000円 / 貸方：現金 20,000円

展示会の出展費用を支払った場合

新製品の展示会出展料として150,000円を支払った場合：

借方：広告宣伝費 150,000円 / 貸方：現金 150,000円

ノベルティの制作費用を支払った場合

顧客へのプロモーション用ノベルティ（ペン）制作費用として10,000円を支払った場合：

借方：広告宣伝費 10,000円 / 貸方：現金 10,000円

雑誌広告掲載費用を支払った場合

雑誌に掲載する広告費として30,000円を支払った場合：

借方：広告宣伝費 30,000円 / 貸方：現金 30,000円

著者 / Tommy Ikura

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