勘定科目「支払利息割引料」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「支払利息割引料」(読み仮名:しはらいりそくわりびきりょう、分類:営業外費用)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
支払利息割引料とは
「支払利息割引料」は、企業が金融機関や取引先に対して支払う利息や、手形の割引によって発生する割引料を計上するための勘定科目です。この勘定科目は、主に資金調達のコストとして発生するものであり、企業が借入金や手形割引によって資金を調達する際に支払う金額です。支払利息は、借入金に対する利息であり、支払割引料は手形を現金化するために金融機関へ支払う手数料といえます。
企業が資金不足を補うために金融機関から借り入れを行ったり、売掛金の回収を手形で行う場合などに手形割引を利用することがあります。このとき、借入に伴って利息が発生し、また、手形を現金化する際に手数料としての割引料が発生するため、それらを支払利息割引料として計上します。これらの費用は、企業の損益計算書において「営業外費用」として扱われるため、営業活動以外の費用として計上されます。
支払利息割引料はどのような時に使用されるのか
支払利息割引料は、以下のようなケースで使用されます。
- 借入金の利息支払い
企業が金融機関から資金を借り入れた際、その借入金に対して発生する利息を支払う際に使用します。これは、借入先によって利率や返済条件が異なり、毎月や半年ごとに利息支払いが発生する場合があります。 - 手形割引による割引料の支払い
企業が売掛金の支払い手段として受け取った手形を現金化するために金融機関で割り引き、その際に発生する割引料を支払う場合です。手形割引料は、手形を現金化するまでの期間に応じて決まるため、取引先との支払いスケジュールに依存します。 - 短期借入金の利息支払い
短期借入金の返済時に、借入期間に応じた利息を支払う場合にも支払利息として計上されます。短期借入金は、事業資金の一時的な不足を補うために利用されることが多いため、利息も比較的短期間での支払いとなります。 - リース契約に基づく利息支払い
リース契約で物件を調達した場合に発生する利息相当額も、支払利息割引料として計上されることがあります。特にリース料の支払いが発生する際に、リース利息部分をこの科目で処理します。
支払利息割引料の仕分例
「支払利息割引料」を使った具体的な仕分例です。
借入金に対し、利息を普通預金から支払った
借入金100,000円に対し、利息2,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払利息割引料 2,000円 / 貸方:普通預金 2,000円
(説明:借入金に対する利息を支払いました)
手形を割り引き、割引料を普通預金から支払った
手形300,000円を割り引き、割引料3,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払利息割引料 3,000円 / 貸方:普通預金 3,000円
(説明:手形割引のため割引料を支払いました)
短期借入金の利息を現金で支払った
短期借入金200,000円の利息1,500円を現金で支払った場合:
借方:支払利息割引料 1,500円 / 貸方:現金 1,500円
(説明:短期借入金に対する利息を支払いました)
リース契約に基づき、リース利息部分を普通預金から支払った
リース契約に基づき、リース利息部分として500円を普通預金から支払った場合:
借方:支払利息割引料 500円 / 貸方:普通預金 500円
(説明:リース契約に伴う利息分を支払いました)
半年ごとの長期借入金の利息支払いで、利息を普通預金から支払った
半年ごとの長期借入金の利息支払いで、利息5,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払利息割引料 5,000円 / 貸方:普通預金 5,000円
(説明:長期借入金の半年ごとの利息を支払いました)
手形を割り引き、割引料を現金で支払った
手形200,000円を割り引き、割引料として2,500円を現金で支払った場合:
借方:支払利息割引料 2,500円 / 貸方:現金 2,500円
(説明:手形割引による割引料を支払いました)
短期借入金に対する利息を普通預金から支払った
短期借入金150,000円に対する利息1,200円を普通預金から支払った場合:
借方:支払利息割引料 1,200円 / 貸方:普通預金 1,200円
(説明:短期借入金に対する利息を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
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