勘定科目「支払手数料」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「支払手数料」(読み仮名:しはらいてすうりょう、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
支払手数料とは
「支払手数料」は、企業が業務上の取引やサービスの提供を受ける際に発生する手数料を計上する勘定科目です。この手数料は、取引を円滑に進めるために必要な付帯費用であり、外部の企業や専門家に対して支払われるものです。支払手数料の種類は幅広く、金融機関での振込手数料や取引の仲介手数料、専門家へのコンサルティング費用など、取引の性質によって様々な場面で発生します。
支払手数料には以下のような費用が含まれます:
- 振込手数料:取引先や従業員への支払いで、銀行振込を利用する際の手数料。
- 仲介手数料:不動産取引や契約の成立に際して発生する仲介会社への手数料。ビジネスを進めるために必要な紹介料などが該当します。
- 専門家のコンサルティング料:税理士や弁護士、会計士などの専門家からコンサルティングを受ける際の手数料。
- 信用調査費:取引先の信用調査を行う際の調査会社への支払手数料。
- 保険契約の手数料:企業のリスク管理のための保険契約に関連して発生する手数料。
支払手数料は、経営活動を行う上で発生する外部サービスの利用費用として計上され、損益計算書では「販売費及び一般管理費(販管費)」に含まれます。また、取引や業務の性質に応じて適切に区分し、管理することで、各費用の発生源や使用目的が明確になります。
支払手数料はどのような時に使用されるのか
支払手数料は、以下のようなケースで使用されます。
- 取引の際の銀行振込手数料
取引先への支払いや従業員への給与振込時に銀行振込を利用する際の手数料が該当します。これらは、支払い手続きに伴う費用として支払手数料に計上されます。 - 不動産取引の仲介手数料
会社のオフィスや倉庫を借りる際に、不動産業者への仲介手数料が発生することがあります。この場合も支払手数料として計上されます。 - 税務や法務の専門家への手数料
税理士や弁護士などにコンサルティングや申告の手続きを依頼する際の費用も支払手数料に該当します。特に企業活動を行う上で発生する税務や法務関連の手数料が一般的です。 - 取引先の信用調査費用
新しい取引先との取引を開始する際に、その信用状況を調査するための調査料を支払う場合、支払手数料として計上します。信用調査により取引リスクを管理するために重要です。 - 契約時に発生する手数料
保険やリース契約などで発生する契約に伴う手数料も支払手数料として扱います。特に新たな契約やサービスを開始する際の諸費用が該当します。
支払手数料の仕分例
「支払手数料」を使った具体的な仕分例です。
取引先に対する支払いのための振込手数料を現金で支払った
取引先に対する支払いのための振込手数料500円を現金で支払った場合:
借方:支払手数料 500円 / 貸方:現金 500円
(説明:取引先への支払い時の振込手数料を支払いました)
新しいオフィスの賃貸契約に際して不動産仲介手数料を普通預金から支払った
新しいオフィスの賃貸契約に際して不動産仲介手数料50,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払手数料 50,000円 / 貸方:普通預金 50,000円
(説明:オフィス賃貸の仲介手数料を支払いました)
税務申告のために税理士に相談料を現金で支払った
税務申告のために税理士に相談料として20,000円を現金で支払った場合:
借方:支払手数料 20,000円 / 貸方:現金 20,000円
(説明:税務申告に関する税理士への相談料を支払いました)
取引先の信用調査を行うために調査会社へ普通預金から支払った
取引先の信用調査を行うために調査会社へ10,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払手数料 10,000円 / 貸方:普通預金 10,000円
(説明:取引先の信用調査費用を支払いました)
営業用リース契約時に発生した契約手数料を現金で支払った
営業用リース契約時に発生した契約手数料5,000円を現金で支払った場合:
借方:支払手数料 5,000円 / 貸方:現金 5,000円
(説明:営業用リース契約の手数料を支払いました)
取引のための書類作成を弁護士に依頼し、手数料を普通預金から支払った
取引のための書類作成を弁護士に依頼し、手数料30,000円を普通預金から支払った場合:
借方:支払手数料 30,000円 / 貸方:普通預金 30,000円
(説明:取引の書類作成にかかる弁護士手数料を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。