勘定科目「新聞図書費」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「新聞図書費」(読み仮名:しんぶんとしょひ、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
新聞図書費とは
「新聞図書費」は、企業が業務上の必要に応じて購入する新聞、書籍、専門雑誌、データベースなどの資料にかかる費用を計上する勘定科目です。情報収集、社員の教育、業務に関する最新の知識や動向の把握を目的とした資料に支払われる費用が含まれます。新聞や書籍、専門書、業界誌などは、企業が市場のトレンドや業界の最新情報を得るために重要であり、特に市場の変化に敏感な業界や、知識に基づく職業(コンサルタント、研究職など)では、新聞図書費が重要な経費として位置づけられます。
新聞図書費には、以下のような費用が含まれることが一般的です。
- 新聞代:日刊新聞、業界新聞などの定期購読料
- 書籍代:業務に関連する専門書、教科書、参考書の購入費
- 雑誌代:業界雑誌やビジネス雑誌など、業界動向を把握するための定期刊行物の購読料
- データベース使用料:専門情報や業界の統計、データベースの購読料
- 電子書籍:業務上の参考資料として購入される電子書籍やオンライン書籍の費用
新聞図書費は損益計算書において「販売費及び一般管理費(販管費)」に分類されることが一般的です。この勘定科目を利用することで、企業は情報収集や教育にかかる費用を明確に管理することができます。
新聞図書費はどのような時に使用されるのか
新聞図書費は、以下のようなケースで使用されます。
- 市場のトレンド把握のための新聞購読
新聞購読は、特に営業やマーケティングの担当者が市場や競合の動向を把握するために重要です。これにより、時事的な情報を収集し、経営戦略や営業活動に活かすことができます。 - 専門知識の習得を目的とした書籍購入
業務に役立つ専門知識の習得や、社員のスキル向上のために専門書や教科書などを購入する場合も、新聞図書費として計上されます。例えば、会計に関する書籍や、IT技術に関する書籍の購入が該当します。 - 業界特化の専門誌の購読
特定業界における最新情報を得るために、業界誌を購読する場合に「新聞図書費」が使用されます。これにより、業界の最新動向や技術進展についての情報を把握することが可能です。 - リサーチのためのデータベース利用料
業務に必要な統計や市場データの収集を目的として、有料のデータベースを使用する場合の利用料も新聞図書費に含まれます。特にマーケットリサーチや競合分析に必要なデータベース費用が該当します。 - 社員教育のための参考書・教科書の購入
社員教育の一環として、業務関連の書籍や参考書、電子書籍などを購入する場合も新聞図書費に計上されます。新しい知識の取得や、業務の効率化を目指すための教材となる資料が対象です。
新聞図書費の仕分例
「新聞図書費」を使った具体的な仕分例です。
日刊新聞の月額購読料を普通預金から支払った
日刊新聞の月額購読料3,000円を普通預金から支払った場合:
借方:新聞図書費 3,000円 / 貸方:普通預金 3,000円
(説明:日刊新聞の購読料を支払いました)
社員教育用の参考書代を現金で支払った
社員教育用の参考書代として5,000円を現金で支払った場合:
借方:新聞図書費 5,000円 / 貸方:現金 5,000円
(説明:社員教育のための参考書を購入しました)
業界専門誌の年間購読料を普通預金から支払った
業界専門誌の年間購読料12,000円を普通預金から支払った場合:
借方:新聞図書費 12,000円 / 貸方:普通預金 12,000円
(説明:業界専門誌の年間購読料を支払いました)
データベース利用料として月額使用料を振り込んだ
データベース利用料として月額使用料8,000円を振り込んだ場合:
借方:新聞図書費 8,000円 / 貸方:普通預金 8,000円
(説明:業務で利用するデータベースの月額使用料を支払いました)
電子書籍として専門書を購入しクレジットカードで支払った
電子書籍として専門書を購入し、3,500円をクレジットカードで支払った場合:
借方:新聞図書費 3,500円 / 貸方:未払金 3,500円
(説明:業務用の電子書籍を購入しました)
新製品の開発に関するリサーチ本を購入し現金で支払った
新製品の開発に関するリサーチ本10,000円を購入し現金で支払った場合:
借方:新聞図書費 10,000円 / 貸方:現金 10,000円
(説明:新製品開発のためのリサーチ用書籍を購入しました)
社員向けに経済新聞の購読を開始し、年間購読料を振り込んだ
社員向けに経済新聞の購読を開始し、年間購読料36,000円を振り込んだ場合:
借方:新聞図書費 36,000円 / 貸方:普通預金 36,000円
(説明:経済新聞の年間購読料を支払いました)
著者 / Tommy Ikura
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