勘定科目「役員報酬」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「役員報酬」(読み仮名:やくいんほうしゅう、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

役員報酬とは

「役員報酬」とは、企業の取締役や監査役などの役員に対して支払われる報酬のことを指します。企業の経営方針を決定し、経営全体を管理する役員には、従業員とは異なる給与体系が適用されることが多く、報酬額はその業績や企業の利益に影響を与える役割に基づいて決定されます。役員報酬は、企業の経営成績や財務状況を鑑みて、株主総会や取締役会において決議され、適正な金額で支払われることが一般的です。

役員報酬の内訳として、基本的な「役員給与」に加え、「賞与」や「業績連動型報酬」なども含まれる場合があります。また、特別な貢献や経営改善を達成した場合に、インセンティブやストックオプションが支払われることもあります。役員報酬は、企業経営の責任を担う役員に対する対価であり、経営方針の決定や資金運用、従業員のマネジメントなど重要な意思決定を行う職務のために支払われます。

日本の会社法においては、役員報酬の額は株主総会での承認が必要であり、透明性が求められます。また、会社の規模や業績、役員個人の貢献度に応じて報酬額が変動することもあります。さらに、役員報酬は税務上、損金(経費)として計上できるため、企業の損益計算においても重要な位置を占めます。

役員報酬はどのような時に使用されるのか

役員報酬は、以下のようなケースで使用されます。

役員報酬の仕分例

「役員報酬」を使った具体的な仕分例です。

役員に月次報酬を現金で支払った

役員に月次報酬として300,000円を現金で支払った場合:

借方:役員報酬 300,000円 / 貸方:現金 300,000円

(説明:役員に月次報酬を現金で支払いました)

役員に対する賞与を普通預金から振り込んだ

役員に対する賞与として500,000円を普通預金から振り込んだ場合:

借方:役員報酬 500,000円 / 貸方:普通預金 500,000円

(説明:役員に業績評価に基づく賞与を支払いました)

年度末に役員の業績連動型報酬を計上し、翌月に支払う

年度末に役員の業績連動型報酬として800,000円を計上し、翌月に支払う場合:

借方:役員報酬 800,000円 / 貸方:未払金 800,000円

(説明:役員への業績連動型報酬を計上し、支払いを翌月に行います)

役員が退任する際に、退職金を支払った

役員が退任する際に、退職金として1,200,000円を支払った場合:

借方:役員報酬 1,200,000円 / 貸方:現金 1,200,000円

(説明:退任する役員に対して退職金を支払いました)

役員にストックオプションの報酬を提供し、その評価額を計上した

役員にストックオプションの報酬を提供し、その評価額600,000円を計上した場合:

借方:役員報酬 600,000円 / 貸方:未払金 600,000円

(説明:役員に対するストックオプション報酬を計上しました)

役員への定期報酬を現金で支払い、支給額ら源泉所得税を控除して支払った

役員への定期報酬を現金で支払い、支給額250,000円から源泉所得税10,000円を控除して支払った場合:

借方:役員報酬 250,000円 / 貸方:現金 240,000円
                          貸方:預り金 10,000円

(説明:源泉所得税を控除し、役員に定期報酬を支払いました)

年度末に業績報酬を普通預金から役員へ支払った

年度末に業績報酬として1,000,000円を普通預金から役員へ支払った場合:

借方:役員報酬 1,000,000円 / 貸方:普通預金 1,000,000円

(説明:年度末における業績評価に基づき役員に報酬を支払いました)

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著者 / Tommy Ikura

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