勘定科目「雑費」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「雑費」(読み仮名:ざっぴ、分類:販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
雑費とは
「雑費」は、企業の業務活動に関連するさまざまな支出のうち、特定の勘定科目に分類できない小口の支出や、頻度が少なく金額も少額であるために、他の費用科目に該当しない支出を処理するための勘定科目です。たとえば、業務に直接関係のない飲み物代や文房具などの少額購入品など、事務用品費や旅費交通費、消耗品費など他の勘定科目に該当しない支出を雑費として計上します。
雑費を適切に計上することで、企業の財務状況がより正確に表現され、他の費用勘定に不適切な支出が含まれることを防ぎます。また、雑費は一般管理費の一部として扱われることが多いため、企業の一般的な経費として損益計算書に記録されます。ただし、雑費の範囲が曖昧だと、他の経費勘定と重複したり、記録が不正確になるリスクがあるため、あくまで少額・一時的な支出を対象にします。
雑費に含まれる具体的な項目
- 少額の業務上の出費:消耗品の小規模な追加購入や、緊急の買い物など。
- 事務用品や備品に含まれない消耗品:特殊な書類用ホルダーやラベル、メンテナンス道具などの補充。
- その他の費用:従業員の急な出張時の支出や小規模なイベント関連支出。
雑費はどのような時に使用されるのか
雑費は、以下のようなケースで使用されます。
- 特定の勘定科目に分類できない少額の支出
業務に必要な支出であるものの、特定の科目には該当せず、金額が少額であるため、あえて新しい勘定科目を設定せずに雑費で処理します。 - 頻度が低く発生する予期せぬ支出
予算の計画にはなかった予期せぬ支出や、イベントや突発的な対応による一時的な支出なども雑費として計上します。 - 簡便さを重視する支出
一度限りの支出や頻度の少ない小規模な支出について、管理の煩雑さを避けるために雑費としてまとめて処理する場合があります。
雑費の仕分例
「雑費」を使った具体的な仕分例です。
従業員の急な出張で必要な日用品を現金で購入した
従業員の急な出張で必要な日用品を現金で1,500円購入した場合:
借方:雑費 1,500円 / 貸方:現金 1,500円
(説明:従業員の急な出張に伴う少額の消耗品を購入しました)
来客用の飲み物を普通預金から購入した
来客用の飲み物を普通預金から500円で購入した場合:
借方:雑費 500円 / 貸方:普通預金 500円
(説明:来客用の飲み物を購入しました)
業務上の少額備品として、特定の事務用品に分類できないホルダーを購入した
業務上の少額備品として、特定の事務用品に分類できないホルダーを800円で購入した場合:
借方:雑費 800円 / 貸方:現金 800円
(説明:業務上使用するため少額備品を購入しました)
会社の年末イベントで使う小物を現金で購入した
会社の年末イベントで使う小物を現金で1,200円購入した場合:
借方:雑費 1,200円 / 貸方:現金 1,200円
(説明:年末イベント用の小物を購入しました)
会議で使用する資料を作成するために特別なラベルを購入した
会議で使用する資料を作成するために特別なラベルを1,000円で購入した場合:
借方:雑費 1,000円 / 貸方:普通預金 1,000円
(説明:会議用資料作成のためにラベルを購入しました)
オフィスで使用する特殊な清掃用具を購入した
オフィスで使用する特殊な清掃用具を500円で購入した場合:
借方:雑費 500円 / 貸方:現金 500円
(説明:オフィス清掃用の特殊な清掃用具を購入しました)
イベント参加に必要な小道具を現金で購入した
イベント参加に必要な小道具を現金で900円で購入した場合:
借方:雑費 900円 / 貸方:現金 900円
(説明:イベント用小道具を購入しました)
著者 / Tommy Ikura
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