勘定科目「自家消費」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「自家消費」(読み仮名:じかしょうひ、分類:自家消費高)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
自家消費とは
「自家消費」とは、事業者が商品や資材など、事業用の物品を事業主自身やその家族が私的に使用することを指します。自家消費は、事業活動の一環として仕入れた商品や製品を、事業主やその家族が私的に消費する場合に発生し、これを会計上では「自家消費」として処理します。
この勘定科目は、事業で使われるはずの資産が私的用途に使われたことを意味し、売上に準ずる扱いとなるため、会計処理上は収益として計上されます。例えば、飲食店の事業主が自分の店の商品を家族の食事として提供した場合、これも自家消費となります。自家消費として計上することで、実際の事業の消費分と事業主の私的消費分を明確に区別することができます。
自家消費の金額は、通常その物品の市場価格や仕入価格を基準に設定され、課税所得に加算されます。これは事業主が私的な用途に使った分も事業の売上と同様に扱い、課税対象にするためです。結果として、正確な会計処理と税務申告が可能になります。
自家消費はどのような時に使用されるのか
自家消費が使用されるのは、主に以下のような状況です。
- 商品や材料を事業主が私的に使用した場合
仕入れた商品や材料を、事業主が家族の生活のために使った際に自家消費が発生します。これにより、実際の事業消費と個人消費を区別します。 - 飲食店などで自店の食材や料理を家族に提供した場合
飲食店や食品販売業で、家族の食事のために自店の商品を使用した場合、その消費分は自家消費として扱われます。 - 製造業において製品を私的に使用した場合
製造業者が製造した製品を自分のために使った場合にも自家消費が適用されます。例えば、家具製造業者が自分の家で使うために家具を作成した場合です。 - 農業などの一次産業における自家消費
農家が自分で育てた野菜や果物を自宅で消費する場合も、事業で収穫した物品が事業主の私的な用途に使われたものとして自家消費に該当します。
自家消費の仕分例
「自家消費」を使った具体的な仕分例です。
飲食店経営者が自店の食材を家族の食事として使用した
飲食店経営者が自店の食材5,000円分を家族の食事として使用した場合:
借方:自家消費 5,000円 / 貸方:売上 5,000円
(説明:自店の食材を家族用として消費しました)
販売業者が商品を家族のために私的に使用した
販売業者が10,000円分の商品を家族のために私的に使用した場合:
借方:自家消費 10,000円 / 貸方:売上 10,000円
(説明:商品を家族の私的用途に使用しました)
家具製造業者が家具を自宅用に使った
家具製造業者が20,000円相当の家具を自宅用に使った場合:
借方:自家消費 20,000円 / 貸方:売上 20,000円
(説明:自社製造の家具を私的使用のために消費しました)
農家が家庭用に収穫した野菜を使用した
農家が家庭用に収穫した野菜(3,000円相当)を使用した場合:
借方:自家消費 3,000円 / 貸方:売上 3,000円
(説明:自家消費として家庭用に収穫した野菜を使用しました)
飲食店経営者が店舗の飲料を私的に消費した
飲食店経営者が店舗の飲料2,500円分を私的に消費した場合:
借方:自家消費 2,500円 / 貸方:売上 2,500円
(説明:私的な用途として飲料を消費しました)
著者 / Tommy Ikura
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