勘定科目「仕入割引」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「仕入割引」(読み仮名:しいれわりびき、分類:営業外収益)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

仕入割引とは

「仕入割引」とは、仕入代金を期日より早く支払うなど、特定の条件を満たした際に、取引先から仕入先への支払金額の一部が割り引かれる金額を指します。仕入割引は、企業が仕入先に対して早期支払いを行った際のメリットとして受けるもので、一般的に仕入代金の支払期間が設定されている中で、指定された期日よりも早く支払った場合に適用されます。

会計上では「仕入割引」は売上原価の減額として扱われ、費用を圧縮する役割を果たします。仕入割引は、支払利息や銀行の受け取り利息と同様に、営業外収益に分類されることが多く、損益計算書に「営業外収益」または「営業外収益(仕入割引)」として計上されます。

例えば、仕入金額が100,000円で、早期支払条件に基づき2%の割引が適用される場合、実際の支払額は98,000円となり、差額の2,000円が仕入割引として計上されます。この割引額は、仕入れ原価を減少させるため、利益を増加させる要因となります。仕入割引の適用条件や割引率は、取引先ごとに異なりますが、一定の信用取引が成立している企業間で利用されることが多いです。

仕入割引はどのような時に使用されるのか

仕入割引が使用されるのは、主に以下のような状況です。

仕入割引の仕分例

「仕入割引」を使った具体的な仕分例です。

仕入代金を仕入先から仕入れ、早期支払割引を受けた

仕入代金100,000円を仕入先から仕入れ、2%の早期支払割引を受けた場合:

借方:仕入 100,000円 / 貸方:買掛金 100,000円
借方:買掛金 100,000円 / 貸方:現金 98,000円
                        貸方:仕入割引 2,000円

(説明:仕入代金を2%割引で早期支払いし、割引分を仕入割引として計上しました)

仕入代金に対し、仕入割引を適用して支払った

仕入代金200,000円に対し、仕入割引5,000円を適用して支払った場合:

借方:仕入 200,000円 / 貸方:買掛金 200,000円
借方:買掛金 200,000円 / 貸方:現金 195,000円
                        貸方:仕入割引 5,000円

(説明:仕入代金の早期支払いにより割引を適用し、仕入割引を計上しました)

仕入額で早期支払割引を受けた

仕入額150,000円で3%の早期支払割引を受け、支払額が145,500円となった場合:

借方:仕入 150,000円 / 貸方:買掛金 150,000円
借方:買掛金 150,000円 / 貸方:現金 145,500円
                        貸方:仕入割引 4,500円

(説明:仕入金額150,000円に対して3%の仕入割引を受けたため、仕入割引を計上しました)

仕入先A社より仕入れた商品代金に対し、割引を受け支払いを行った

仕入先A社より仕入れた商品代金80,000円に対し、4%の割引を受け支払いを行った場合:

借方:仕入 80,000円 / 貸方:買掛金 80,000円
借方:買掛金 80,000円 / 貸方:現金 76,800円
                       貸方:仕入割引 3,200円

(説明:A社への仕入代金支払いで4%の仕入割引を受けました)

商品仕入額に対して割引を受け支払いを行った

商品仕入額250,000円に対して2,500円の割引を受け支払いを行った場合:

借方:仕入 250,000円 / 貸方:買掛金 250,000円
借方:買掛金 250,000円 / 貸方:現金 247,500円
                        貸方:仕入割引 2,500円

(説明:商品仕入の早期支払いで仕入割引を適用しました)

仕入代金に対し仕入割引を受けた

仕入代金300,000円に対し1%の仕入割引を受けた場合:

借方:仕入 300,000円 / 貸方:買掛金 300,000円
借方:買掛金 300,000円 / 貸方:現金 297,000円
                        貸方:仕入割引 3,000円

(説明:仕入代金の1%割引を受け、仕入割引を計上しました)

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。