勘定科目「受取配当金」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「受取配当金」(読み仮名:うけとりはいとうきん、分類:営業外収益)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
受取配当金とは
「受取配当金」は、企業が保有する他社の株式に対して得られる配当収益を計上するための勘定科目です。企業は投資活動の一環として他社の株式を購入することがあり、これにより株主としての権利を持ち、株式を保有する企業から利益の一部として配当金を受け取ります。この配当金は、保有する株式の数量や発行企業の利益に応じて支払われるものであり、企業にとって投資利益としての収益となります。
配当金の支払いは通常、年に1?2回行われることが多く、決算期や期中に発行企業の利益状況に応じて配当額が決定されます。受取配当金は企業の利益に含まれるため、会計上、営業外収益として処理され、損益計算書上での収益を増加させる要因となります。特に金融資産として他社株式を多く保有する企業においては、受取配当金の金額が企業収益に大きく寄与する場合もあります。
受取配当金は通常、現金で受け取る場合が多いですが、まれに追加の株式や株式分割といった形で付与されることもあります。この勘定科目は、企業が配当を受け取ることで投資に対する利益を認識するための重要な科目であり、保有資産の有効活用や資金運用の一環として扱われます。
受取配当金はどのような時に使用されるのか
受取配当金が使用されるのは、主に以下のような状況です。
- 他社株式保有による収益確保
企業が他社の株式を保有している場合、当該株式に対する配当金を受け取ることで収益を得ます。これにより、保有資産の運用成果を財務諸表に反映させ、資金運用の効率化を図ります。 - 長期保有株式の利益還元
長期的に保有する株式からの配当収益は、企業の収益源の一つとして安定的に計上されます。これにより、株式市場の変動に関わらず収益を得ることができます。 - 投資活動としての収益認識
投資目的で保有する株式について、配当を受け取るたびにその収益を認識します。企業の投資戦略の一環として株式投資から得られる利益を計上するため、受取配当金の計上は投資活動における収益管理の役割を担います。 - 配当金を現金以外の形で受け取る場合
配当が追加の株式などで支払われる場合も、受取配当金を通じて収益として計上します。配当の形態に応じた会計処理を行うために、この科目が使用されます。
受取配当金の仕分例
「受取配当金」を使った具体的な仕分例です。
他社株式の配当金として現金で受け取った
他社株式の配当金として現金で50,000円を受け取った場合:
借方:現金 50,000円 / 貸方:受取配当金 50,000円
(説明:他社株式の配当金を現金で受け取り、収益として計上しました)
銀行振込で受け取った配当金が、銀行口座に入金された
銀行振込で受け取った配当金80,000円が、銀行口座に入金された場合:
借方:普通預金 80,000円 / 貸方:受取配当金 80,000円
(説明:銀行振込で受け取った配当金を普通預金に計上しました)
保有する株式の配当として株式分割を受け、配当が付与された
保有する株式の配当として株式分割を受け、評価額100,000円分の配当が付与された場合:
借方:有価証券 100,000円 / 貸方:受取配当金 100,000円
(説明:株式分割による配当を有価証券として受け取り、配当収益として計上しました)
期末において、未収配当金を見越計上した
期末において、未収配当金として20,000円を見越計上した場合:
借方:未収収益 20,000円 / 貸方:受取配当金 20,000円
(説明:期末に未収配当金を見越計上し、配当収益を認識しました)
株式保有先から配当金を小切手で受け取り、小切手を現金化した
株式保有先から配当金40,000円を小切手で受け取り、小切手を現金化した場合:
借方:現金 40,000円 / 貸方:受取配当金 40,000円
(説明:受け取った小切手を現金化し、配当収益を計上しました)
保有する株式からの配当収益を、翌月に受け取る予定のため未収計上した
保有する株式からの配当収益120,000円を、翌月に受け取る予定のため未収計上した場合:
借方:未収収益 120,000円 / 貸方:受取配当金 120,000円
(説明:受取予定の配当金を未収収益として見越計上しました)
著者 / Tommy Ikura
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