勘定科目「雑収入」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「雑収入」(読み仮名:ざっしゅうにゅう、分類:営業外収益)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
雑収入とは
「雑収入」とは、企業の主たる営業活動や定期的な取引以外から生じた収入を記録するための勘定科目です。通常、雑収入には小規模で非恒常的な収益が含まれ、企業の主要な収益源とは異なるため、「営業外収益」として損益計算書に記載されます。雑収入に該当する例として、利息収入や為替差益、保険金の受取額、資産の売却収益、取引先からの値引きなどがあります。
雑収入は、企業の活動から生じるものであっても、不定期に発生し、将来的に継続的な収入源として見込めるわけではない場合に使用されます。したがって、雑収入は企業の通常の営業活動に基づく売上やサービス収入とは異なり、補助的な収益として扱われます。企業が雑収入を記録することで、偶発的に発生する小規模な収益が財務諸表に反映され、経営成績をより正確に表すことができます。
雑収入はどのような時に使用されるのか
雑収入が使用されるのは、主に以下のような状況です。
- 取引先からの値引き・リベートを受け取った場合
一部の取引先との契約に基づいて受け取る値引きやリベートは雑収入として計上されます。通常の売上収益に含まれない収益とするため、雑収入として処理されます。 - 設備や備品の売却による収入
不要になった設備や備品を売却した場合、その売却額も雑収入に分類されます。これにより、一時的な収益として財務諸表に反映されます。 - 利息収入などの一時的な収益
銀行預金や短期的な投資から得られる利息収入は雑収入として処理されます。定期的な営業収益に含まれない収益項目を雑収入として計上します。 - 保険金の受け取り
企業が所有する資産や設備が損害を受け、保険金が支払われた場合、その受取額も雑収入として処理されます。 - その他の偶発的な収入
従業員や第三者からの賠償金や補償金、不要品の売却益など、営業活動以外のさまざまな収入も雑収入に分類されます。
雑収入の仕分例
「雑収入」を使った具体的な仕分例です。
取引先からの値引きを受け取った
取引先からの値引きとして5,000円を受け取った場合:
借方:現金 5,000円 / 貸方:雑収入 5,000円
(説明:取引先からの値引き額を雑収入として計上しました)
不用品の備品を売却し、現金を受け取った
不用品の備品を売却し、現金で12,000円を受け取った場合:
借方:現金 12,000円 / 貸方:雑収入 12,000円
(説明:不要備品の売却に伴う収入を雑収入として計上しました)
保険会社から保険金を受け取った
保険会社から保険金20,000円を受け取った場合:
借方:現金 20,000円 / 貸方:雑収入 20,000円
(説明:保険金の受取額を雑収入として計上しました)
預金利息として、普通預金に利息が加算された
預金利息として、普通預金に1,500円の利息が加算された場合:
借方:普通預金 1,500円 / 貸方:雑収入 1,500円
(説明:預金利息を雑収入として計上しました)
取引先の貸付金返済に伴い、追加の利息収入を現金で受け取った
取引先の貸付金返済に伴い、追加の利息収入3,000円を現金で受け取った場合:
借方:現金 3,000円 / 貸方:雑収入 3,000円
(説明:貸付金返済に伴う利息収入を雑収入として計上しました)
従業員から受け取った損害賠償金を現金で受け取った
従業員から受け取った損害賠償金5,000円を現金で受け取った場合:
借方:現金 5,000円 / 貸方:雑収入 5,000円
(説明:従業員からの損害賠償金を雑収入として計上しました)
設備売却による収益が普通預金に振り込まれた
設備売却による収益として40,000円が普通預金に振り込まれた場合:
借方:普通預金 40,000円 / 貸方:雑収入 40,000円
(説明:設備売却による収入を雑収入として計上しました)
著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。