勘定科目「未払金」に関する解説と仕分例
勘定科目の一つである「未払金」(読み仮名:みばらいきん、分類:流動負債)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。
未払金とは
未払金は、日常的な仕入れ以外で発生する支出、例えば、固定資産の購入、オフィスの設備、備品、交通費などに対して用いられる勘定科目です。これに対し、日常的な商品の仕入れなどに伴う未払い金額は「買掛金」として区別されるのが一般的です。未払金は貸借対照表の負債の部に記載され、通常は短期的な支払義務であり、1年以内の支払いが予定されています。
未払金を正確に記録することで、企業は支払が完了していない債務を把握し、財務の健全性を維持できます。企業が複数の取引や支出を管理し、各取引ごとの支払い状況を明確にするために、未払金は必要不可欠な勘定科目です。未払金の発生は、通常、企業のキャッシュフローや資金繰りに影響を与えるため、未払金の発生から支払いまでの管理が適切に行われることが求められます。
未払金はどのような時に使用されるのか
未払金が使用されるのは、主に以下のような状況です。
- 固定資産や設備の購入
例えば、企業が新しいコンピュータやオフィス家具を購入し、即時の支払いが行われなかった場合に未払金として計上されます。こうした支出は通常の仕入れとは異なるため、未払金として区別されます。 - 備品や消耗品の購入
事務用品や清掃用品などの備品や消耗品を購入した際、即時の支払いを行わない場合も未払金として処理されます。これにより、未払の備品購入費用が明確に記録されます。 - 出張費や交通費
従業員が出張した際の出張費や交通費が発生し、支払いが後日行われる場合にも未払金が使用されます。たとえば、会社のクレジットカードで支払った出張費用が翌月に請求されるケースです。 - 保険料やリース料の支払い
契約に基づく保険料やリース料なども、費用が発生しているものの支払いが完了していない場合は、未払金として計上されます。たとえば、車両リース料の未払い分がある場合などです。 - 不動産の契約に基づく支払い
オフィスや店舗の敷金・礼金、保証金など、賃貸契約に伴う一時的な支払い義務がある場合も未払金として処理します。特に契約締結後に支払いが生じる場合、支払時期まで未払金として計上します。
未払金は、未払いの支出を管理し、企業の負債状況を把握するために必要な勘定科目です。未払金の適切な管理により、企業は資金繰りを正確に把握でき、将来の支払いに備えることができます。未払金の管理が疎かになると、企業の財務管理に影響が出る可能性があるため、未払金の記録と支払管理は重要です。
未払金の仕分例
「未払金」を使った具体的な仕分例です。
コンピュータ購入代金が未払の場合
コンピュータ購入代金150,000円が未払の場合:
借方:備品 150,000円 / 貸方:未払金 150,000円
(説明:購入したコンピュータの支払いが未完了のため、未払金として計上します)
オフィス家具購入の代金が未払の場合
オフィス家具購入の代金100,000円が未払の場合:
借方:器具備品 100,000円 / 貸方:未払金 100,000円
(説明:オフィス家具の購入代金を未払金として計上します)
従業員の出張交通費が未払の場合
従業員の出張交通費20,000円が未払の場合:
借方:旅費交通費 20,000円 / 貸方:未払金 20,000円
(説明:従業員の出張にかかる交通費の支払いを未払金として計上します)
リース料のうち未払いの金額がある場合
リース料のうち未払いの金額30,000円がある場合:
借方:リース料 30,000円 / 貸方:未払金 30,000円
(説明:発生したリース料の未払い分を未払金として計上します)
事務用品の購入費用が未払の場合
事務用品の購入費用5,000円が未払の場合:
借方:消耗品費 5,000円 / 貸方:未払金 5,000円
(説明:事務用品の購入費用が未払のため、未払金として処理します)
車両の修理代が未払の場合
車両の修理代25,000円が未払の場合:
借方:修繕費 25,000円 / 貸方:未払金 25,000円
(説明:車両の修理代を未払金として計上します)
著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。