勘定科目「支払手形」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「支払手形」(読み仮名:しはらいてがた、分類:流動負債)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

支払手形とは

「支払手形」とは、企業が仕入や取引に対して、後日に支払うことを約束して発行する手形(商業手形)を指します。企業が仕入先や取引先から商品やサービスを受け取り、即時に現金で支払うのではなく、一定の支払期日に決済することを約束する形で手形を発行し、その手形に基づき支払いを行うことになります。支払手形は、企業が将来支払う義務を負っているため、貸借対照表上では負債として計上されます。

支払手形を発行することで、企業は資金の一時的な猶予が得られ、キャッシュフローを改善する効果が期待できます。手形には期日が設定されており、通常は1か月から6か月程度の短期で設定されるため、決済までの猶予期間を利用して、企業は資金を他の運転資金や投資活動に活用することができます。ただし、支払手形の発行には信用が必要であり、信用力が低い場合は取引先から手形取引を断られることもあります。また、期日までに手形が決済されなかった場合、企業の信用が損なわれる可能性もあるため、慎重な管理が求められます。

支払手形はどのような時に使用されるのか

支払手形は、企業が取引先から商品やサービスを仕入れた際、即時の現金支払いを行わず、後日に支払うことを約束する場合に使用されます。具体的には以下のようなケースで使用されます。

支払手形は、企業の資金繰りを効率化し、キャッシュフローを管理するために重要な手段ですが、支払期日には確実に決済を行う必要があるため、厳格な管理が求められます。支払手形の発行や決済は、企業の財務管理や信用にも影響を与えるため、慎重な取り扱いが必要です。

支払手形の仕分例

「支払手形」を使った具体的な仕分例です。

商品の仕入れに対して支払手形を発行した場合

商品の仕入れに対して支払手形を発行した場合(200,000円の仕入れ):

借方:仕入 200,000円 / 貸方:支払手形 200,000円

(説明:商品仕入れの代金を支払手形で処理し、負債として計上します)

機械設備の購入に対して支払手形を発行した場合

機械設備の購入に対して支払手形を発行した場合(500,000円の機械購入):

借方:機械装置 500,000円 / 貸方:支払手形 500,000円

(説明:機械の購入代金を支払手形で決済し、負債として計上します)

オフィス家具の購入に対して支払手形を発行した場合

オフィス家具の購入に対して支払手形を発行した場合(150,000円のオフィス家具):

借方:器具備品 150,000円 / 貸方:支払手形 150,000円

(説明:オフィス家具の購入を支払手形で決済し、未払いとして計上します)

取引先への支払いのために支払手形を発行した場合

取引先への支払いのために支払手形を発行した場合(300,000円の取引):

借方:仕入 300,000円 / 貸方:支払手形 300,000円

(説明:取引先からの仕入代金を支払手形で処理し、負債として計上します)

支払手形の決済時に現金で支払った場合

支払手形の決済時に現金で支払った場合(200,000円の手形決済):

借方:支払手形 200,000円 / 貸方:現金 200,000円

(説明:支払手形の決済を現金で行い、負債を消します)

支払手形の決済を銀行振込で行った場合

支払手形の決済を銀行振込で行った場合(300,000円の手形決済):

借方:支払手形 300,000円 / 貸方:普通預金 300,000円

(説明:銀行振込で支払手形の決済を行い、負債を解消します)

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著者 / Tommy Ikura

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